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テント倉庫は、真夏になると室温が40℃を超えることも珍しくなく、「エアコンを入れても効かない」「午後になると作業にならない」といった状態になりやすいです。これは、鉄骨に膜材(シート)を張ったテント倉庫ならではの構造が原因です。ここでは、テント倉庫が暑くなるメカニズムを整理したうえで、遮熱・換気・冷却を組み合わせた効果的な暑さ対策を、費用や効果とあわせて解説します。
テント倉庫が一般的な建物よりも暑くなるのは、その素材と構造に理由があります。鉄骨の骨組みに張られた膜材は薄く断熱性が低いため、太陽光で熱せられた屋根の熱が輻射熱として室内に伝わりやすいのです。屋根から侵入した熱は上昇して天井付近に溜まり、室内温度が外気温より5〜10℃も高くなることもあります。
真夏の7〜9月には、倉庫内部の温度が45℃近くまで上がるケースもあり、一度こもった熱は夜間になっても下がりにくいという悪循環に陥りがちです。
倉庫内の高温は、働く人の安全と生産性、そして保管品の品質すべてに影響します。厚生労働省の資料でも、室温が28℃を超えると作業効率は徐々に低下し、33℃以上では最大25%程度の効率低下が見られるとされています。テント倉庫内はこの水準を容易に超えてしまうのが実情です。
さらに、2025年6月からは職場の熱中症対策が義務化されました(労働安全衛生規則の改正)。WBGT28℃以上または気温31℃以上での一定の作業には対策が求められ、対応を怠った場合には罰則(6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が科される可能性があります。暑さ対策は「快適性」だけでなく、法令遵守と経営リスク管理の観点からも避けて通れない課題になっています。
テント倉庫の暑さ対策は、単一の方法ではなく、以下の4つを組み合わせることで効果が最大化します。
暑さの根本原因である輻射熱を反射し、室内への熱流入そのものを抑えます。遮熱機能付きの膜材は入射する太陽光エネルギーを最大70%程度反射でき、倉庫内温度の上昇を平均3〜5℃抑えられるとされています。既存倉庫には遮熱シートの後付け施工も有効です。
熱は上昇する性質があるため、天井付近に排気口を設け、下部から給気する「煙突効果」を活かすと効率的に排熱できます。開口部の面積は床面積の1/20以上を目安に確保し、自然換気で不十分な場合はルーフファンや換気扇を併用します。
スポットクーラーで作業者や熱に弱い保管エリアをピンポイントに冷却し、大型ファンで空気を循環させます。倉庫全体を冷やすのではなく、必要な区画に絞ることで冷却効率が高まります。
二重屋根で空気層を設けて断熱したり、作業・保管エリアを間仕切りで区切ってゾーニングしたりすることで、冷却効率を大きく向上できます。
数ある対策の中でも、テント倉庫と相性が良いのが遮熱シートです。テント倉庫の暑さの主因は屋根からの輻射熱であり、これを直接反射できる遮熱シートは根本原因にアプローチできます。
「冷やす」のではなく「熱を入れない」対策のため、空調負荷の軽減による電気代削減にもつながります。遮熱シートと断熱材の違いについては遮熱シートと断熱材の違い、遮熱塗料との比較は遮熱シートと遮熱塗料の違いもあわせてご覧ください。
| 対策 | 主な特長 | 注意点 |
|---|---|---|
| 遮熱シート | 屋根の輻射熱を直接反射。後付け可能で稼働を止めにくい | 原因把握と施工設計が重要 |
| 遮熱膜材への張替え | 太陽光を最大70%反射、上昇温度を3〜5℃抑制 | 膜材の全面交換はコストがかかる |
| 換気・送風 | 比較的低コストで熱だまりを排出 | 日射由来の熱そのものは抑えにくい |
| スポットクーラー | 作業エリアを即効的に冷却 | 電気代が増加、全体冷却には不向き |
対策を選ぶ前に、まず「どこから、どのように熱が入っているか」を把握することが重要です。屋根からの輻射熱が主因であれば遮熱、熱だまりが問題であれば換気、というように原因に合った対策を選ぶことで、無駄な投資を避けられます。やみくもに空調を増設すると、根本原因が残ったまま電気代だけが増え続けるという事態になりかねません。
特に、遮熱と換気は相乗効果が高い組み合わせです。屋根の遮熱で熱の侵入を抑えたうえで、天井付近の排熱を強化すると、少ない冷却設備でも快適性を確保しやすくなります。
効果的な暑さ対策は、いきなり大掛かりな設備を導入するのではなく、次のようなステップで段階的に進めるのがおすすめです。
遮熱シートは屋根条件に応じて工法を選べるため、エリアを分割しての施工や、夜間・休日施工にも対応しやすく、倉庫の稼働を止めずに導入できるケースが多いのも利点です。
Q. 遮熱シートはどのくらい室温を下げられますか?
建物の条件や既存の状態によりますが、遮熱に換気・冷却を組み合わせることで、環境によっては室内温度を最大8℃程度下げられるケースもあります。まずは現状の温度を測定し、目標を設定することをおすすめします。
Q. 既存のテント倉庫にも後付けできますか?
可能です。遮熱シートは内側張り・外側張りが選べ、既存の膜材を活かしたまま施工できるため、建て替えや全面張替えをせずに暑さ対策ができます。
Q. 遮熱シートと遮熱塗料はどちらが良いですか?
それぞれ特性が異なります。膜材のテント倉庫では、輻射熱を反射する遮熱シートが相性の良いケースが多いですが、建物や予算により最適解は変わります。詳しくは遮熱シートと遮熱塗料の違いをご覧ください。
テント倉庫が暑くなる根本原因は、膜構造ゆえの屋根からの輻射熱と低い断熱性にあります。そのため、熱を入れない「遮熱」を軸に、こもった熱を出す「換気」、作業エリアを冷やす「冷却」を組み合わせるのが効果的です。中でも遮熱シートは、輻射熱に直接アプローチでき、稼働を止めずに後付けしやすいため、まず検討したい対策といえます。
2025年6月の熱中症対策義務化も踏まえ、自社倉庫の暑さの原因を整理したうえで、無理なく続けられる対策から導入していきましょう。
純度99%のアルミ素材を使用し、耐腐食性能を持つ特殊コーティングを施した「IS遮熱シート」を開発。輻射熱を97%以上反射し、沿岸部や薬品工場といった過酷な環境でも優れた耐久性と性能を発揮します。さらに、独自工法により、従来の遮熱シートで課題とされてきた結露対策も実現。これまで大規模な物流倉庫をはじめ、400棟以上にわたる多様な現場に導入(※)され、温度低下と省エネ効果が認められた実績を持っています。